最近、ミニPCの安さが目立ちます。特に性能が良い12世代CPUのN100搭載品は約3万円で買える破格です。
で、ついでにN95というCPU搭載の更に格安ミニPCもあって「どっちが良いか?」とレビューブログやレビュー動画が賑わっていますが、個人的にはN100以外の選択肢はありません。
画像はインテルのWebサイトのCPU比較表です。括弧内は記載が無かったので自分で追加しました。
N100とN95は同世代Alder Lake-UのCPUで、違いはCPUクロック数・GPUクロック数・GPU実行ユニット・TDPです。
ここで、じゃあ実際どうこの違いを見るかですが、まず、超低電力CPUにしてはN95のベースクロックと消費電力が2倍以上高いのがわかります。
ベースクロックが高ければ、PC実行時の鈍さが解消されるのですが、低電力を売りにしているのにクロック数が落ちないのは不利です。
次は内蔵GPUですが、これの比較は単純に「GPUクロック数×実行ユニット数」で見ます。
N100=0.75×24=18
N95 =1.20×16=19.2
と、いうわけでN95に軍配が上がるのですが、ここで単純にいかないのが実行ユニット数でして、GPUとしては例えクロック数が低くてもユニット数が何かと多い方が好ましいのが現状です。総合性能が元々低いミニPCの場合はコア数で補っているのが実態なのです。特に動画編集でQSVを使いたいと思っている方はN100を選ぶべきです。ただし、そこで気になるのが、搭載メモリーがDDR4なのかDDR5(or LPDDR5)なのかって事と、最大チャネル数が両方とも1だという事。
DDR4か5で言えば当然レートが2倍速のDDR5を選びたい。
そして、普通のデスクトップならメモリーはデュアルチャネルが当たり前であり必須と言っても良いですがこれがシングルチャネルなのは残念。DDR4搭載の場合はハズレだと思ってください。
メモリー速度の実測なんて体感出来ないとよく言われますが、帯域幅が違うと書き込み速度に違いが現れます。レビューサイトではZIP圧縮の比較でシングルとデュアルで1割程度の差が出るなんて言われていますよね。これ何かっていうと、データのランダム書き込みの差です。
シングルチャネルだとこの書き込み速度が遅いので、メモリーに依存するQSVを使う場合はエンコード速度に影響します。それを考えると、もう1ランク上げてCore i3-1215UというN100より更に1.5倍速い性能のCPUを選ぶのも良いかも知れません。
そんなわけで、格安ミニPCを選ぶならなるべくintel N100&DDR5メモリーの物を買いましょう。もう少し性能が欲しいなら12世代 Alder lake-UのCPUを選べば間違いありません。
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